杉原つやの

本と散歩とアートとか。

不適切な日本語 / 梶原しげる

 

不適切な日本語 (新潮新書)

不適切な日本語 (新潮新書)

 
 

日本語は「場」をとても重んじる言葉なのだなあ。つねづね「元気をもらう」「やってもらえます?」「こだわりの~」「~したくないですか?」「大丈夫です」という言葉に抱いていた違和感が、梶原さんのおかげでそのもやもやが輪郭を帯びてすっきりした。

一日何回も耳にする「扉が閉まります」気にもとめていなかったけど、よく考えたら変だ。アナウンス側が「閉めますよ」ってことなのに、ドア開閉を自ら突き放してひとごと的である。あれは押し付けがましくなくするためにそうしてるのだなー。で、大阪モノレールはすごい。「閉まります」=「閉める」の自動詞から、「閉めます」=「閉める」の他動詞に替えたことで強制力を持たせ、「定期運行の夢がかなった!(らしい)」そうだ。経済効率にも大きく影響するとは、改めて驚いた次第。

クローズアップ現代の国谷キャスターが使わなかった言葉は興味深い。「脱・よろしく」への道は険しい。